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7. 防衛と補償
 
 
CPLは、商業ディストリビューターであるライセンシーの特別な責任を規定する初めての主要なオープンソース・ライセンスだ。そこは、CPLが「すべき(should)」という単語を使用する唯一の場所であり、CPLに理性的かつ実践的なビジネスの目的があることを示唆している。
 
ソフトウェアの商業ディストリビューターは、エンドユーザー、ビジネスパートナー、および同様の者に関し、一定の責任を引き受けてもよい。このライセンスは本プログラムの商業使用を促進することを意図しているが、商業製品の提供に本プログラムを含める[コントリビュータ]は、他の[コントリビュータ]の潜在的な責任を生み出さない方法で、そのようにすべきだ。(CPL4条)
 
ところで、「商業製品の提供」とは何だろうか?ほぼ確実なのは、店またはオンラインで得られる製品だ。この文言は、単独で頒布されたソフトウェア、または、何らかの物理的な商業製品の一部であるソフトウェアに当てはまるだろうか?この文言は、製品の提供が全体として公衆、あるいは、単にオープンソース開発プロジェクトの文脈における他の[コントリビュータ]に向けてなされることを必要とするだろうか?この文言は、ディストリビューターが無料でソフトウェアを公衆に提供する場合に当てはまるだろうか?価格が単に頒布の費用をまかなうだけの場合に適用されるだろうか?CPLはこれらの疑問について何も述べていない。これはCPLの中の重要でありながら定義されていない文言だ。筆者は、このあいまいさは意図的なものだったと考えている。
 
CPL[商業コントリビュータ]の行為から他の[コントリビュータ]を保護しようとする。それは防衛し補償する契約により達成される。
 
[コントリビュータ]が商業製品の提供に本プログラムを含む場合、そのような[コントリビュータ][商業コントリビュータ])は、商業製品の提供における本プログラムの頒布と関連して[商業コントリビュータ]の作為または不作為により生じる範囲に限り、第三者による[補償されるコントリビュータ]に対する請求、訴訟およびその他の法的行為から生じる、すべての損失、損害、および費用(併せて[損失]という。)に対して、他のあらゆる[コントリビュータ][補償されるコントリビュータ]という)を防衛し補償することに同意する(CPL4条)
 
この条項は、消費者保護の文脈で重要だ。消費者保護はすべての文明国ではさまざまな方法で必要とされている。法は、取引の流れに取り入れられる製品が、人々、財産またはビジネスに危害を加えることがあることを認識している。多くの法域では、取引の流れに製品を取り入れる責任がある会社はすべて、その製品によって消費者に引き起こされる[損失]の対価を支払う潜在的責任がある。
 
法律により、ライセンスがどのように規定しても、この潜在的責任を免責できないとされている国もある。CPLおよび他のライセンスにあるような免責条項は、多くの国では「商用・消費者」の状況には適用されない(CPL5条、MPL9条、GPL12条、OSL/AFL8条を参照。)。免責条項は、被害を受けた消費者によって、特定の状況においては法に反し無効とされる。
 
では、消費者が訴えたとき、潜在的に支払いをするのは誰になるのだろうか?第1に、個人の原告は被った実際の[損失]につき会社を訴えることができる。おそらく、より深刻な場合としては、多くの同様の立場の消費者たちの個別な小さな[損失]のためにクラス・アクション(集団訴訟)が提起される場合がある。被告は集団のすべての構成員の[損失]をまとめて支払うかもしれない。資金のある被告会社は特に、消費者訴訟の攻撃を受けやすく、また被害を受けた消費者について高額な陪審評決を受けやすい。
 
2に、アメリカおよび他のいくつかの国では、一般に、訴訟の各当事者が自分自身の弁護士報酬と訴訟費用を支払う責任がある。これは安くはない。単にそのような訴訟を防衛するだけで、[損失]のお金はほとんど支払われないままに、被告が破産することもある。例えば、アスベストやシリコン注入式豊胸手術に関する訴訟の費用を考えてほしい。
 
また、ソフトウェア分野以外の、以下のような例を考えてほしい。Ford社製自動車においてFirestone tires社(タイヤ会社)の欠陥が見つかり始めた際、被害を受けた原告は、両方の会社を訴えた。各被告の責任の度合いを決定し、それに従って損害賠償を割り当てることが裁判所の問題となった。責任の度合いを分析し、損害賠償を割り当てるための法的な手続きは世界中で大きく異なる。潜在的には、Ford社とFirestone社の両方が、各社に対して個別に評価された金額を支払い、各社が自身の弁護士報酬と費用を支払うことになるだろう。
 
しかし、Firestone社がFord社を防衛し補償する義務があるなら、支払いは全てFirestone社のお金でということになる。Firestone社はすべての判決について支払いをし、すべての弁護士報酬と費用を支払うだろう。
 
一般的に、CPLの下では、[商業コントリビュータ]は他のあらゆる[コントリビュータ]を防衛し補償しなければならない。IBM社(およびすべての他の「初期コントリビュータ」)が、他社が[商業コントリビュータ]であることを許容する限りにおいて、防衛し補償する負担を負うのはその他社だ。
 
これはもちろんCPLのルールを全部は述べていない。防衛し補償する義務は、[損失]が「その[商業コントリビュータ]の作為または不作為」により引き起こされた範囲に限り適用される。これは[商業コントリビュータ]が、なお直接の責任がないと立証できるかもしれないということだ。しかし、その会社は防衛し補償する義務を承諾したので、自社を保護するために他社が介入してくることを当てにはできない。
 
CPL上の防衛・補償義務は「すべての実際のまたは主張されている知的財産権侵害に関連する損失」には適用されない(CPL4条)。これはCPLの保証免責条項と合致していて、それは非侵害の保証を放棄している(CPL5条)。
 
オープンソース・ソフトウェアへの[商業コントリビュータ]である会社にとって、防衛する義務は非常に高くつく場合がある。被害を受けた消費者のために損害を賠償するためには、銀行口座に多額の残高を必要とする場合がある。他のあらゆる[コントリビュータ]を防衛し補償する義務は、[商業コントリビュータ]が複雑または高くつく消費者の被害を償わなければならない場合、特に苦痛となるときがある。[商業コントリビュータ]は、そのライセンスに従ってソフトウェアを頒布する前にCPLに従って資産がさらされる脅威を慎重に評価する必要がある。
 
「商業製品の提供」(その文言が何を意味したとしても)を直接に頒布していない個人の[コントリビュータ]については、防衛し補償する条項は適用されない。
 
 
>>次項 「8. CPLライセンスの保有権」へ
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2008.10.23 Thu l 第8章 CPLライセンス→7. 防衛と補償 l COM(0) TB(0) l top ▲

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