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6. 特許防衛
 
 
CPLは、2つの場合において、[受領者]が一定の特許訴訟を開始した日をもって自動的に終了する。
 
多くの商業オープンソース・ライセンスはこの種の特許防衛条項を含んでいる。特許権の広大なポートフォリオを持つIBM社などの会社は、自社が特許権侵害で訴えられたときに、特許権ライセンスを終了することができるようにしたいと思っている。特許権の防衛的な使用は、そのような会社の特許戦略の重要な部分だ。
 
以下が第1の場合だ。
 
・・・[受領者]がソフトウェアに適用される特許権に関して[コントリビュータ]に対して特許訴訟(訴訟における交差請求または反訴を含む)を提起した場合、この「契約」に従って[コントリビュータ][受領者]に対して付与したすべての特許権ライセンスは、その訴訟が提起された日をもって終了する。(CPL7条)
 
この終了条項は「[コントリビュータ]に対する訴訟」および「ソフトウェアに適用される特許権」に適用される。それがCPLに従ってライセンスされたソフトウェアに適用されるか否かにかかわらない。
 
以下が第2の場合だ。
 
・・・本プログラム自体(本プログラムと他のソフトウェアまたはハードウェアとの組合せを除く)がその[受領者]の特許権を侵害すると主張して[受領者]が任意の者に対して特許訴訟(訴訟における交差請求または反訴を含む)を提起した場合も、2[b]条に従って付与されたその[受領者]の権利は、その訴訟が提起された日をもって終了する。(CPL7条)
 
この終了条項は「任意の者(any entity)」に対する訴訟と「本プログラムに適用される特許権」にだけに適用される。
 
第1の条項によれば、「この[契約]に従って[コントリビュータ][受領者]に対して付与したすべての特許権ライセンス」が終了する。第2の条項によれば、「2[b]条に従って付与された権利」が終了する。奇妙だが、2[b]条にある以外、CPLによって付与された特許権ライセンスはない。筆者には、2つの終了条項がなぜこのように異なるように記載されたのかは分からない。
 
また、終了条項が特許権ライセンスだけに適用されることに注意してほしい。著作権ライセンスは残る。したがって、[コントリビュータ]が実際にライセンスした特許権が全くない場合(すなわち、そのソフトウェア中の知的財産権は著作権だけで、特許権では保護されない場合)、終了条項は適用されない。特許権を持たないライセンサーには、CPLライセンスによる特許防衛の利益は全くない。
 
ライセンスを受けるソフトウェアにこの種の特許権終了条項が適用されることを望まない会社もある。彼らの懸念は、「ソフトウェアに適用される特許権」に関する侵害訴訟に適用される第7条の前半にある。以下は彼らが望まないシナリオだ。A社がそのソフトウェアをCPLに従ってB社にライセンスする。B社は、ライセンスされたソフトウェアと関係のない全く異なるソフトウェア特許権を侵害するとして会社Aを訴える。B社のそのソフトウェアへのライセンスは終了する。
 
1に、B社はA社のソフトウェアを受け入れるべきだったろうか?受け入れた場合に自社の他のソフトウェア特許権が会社Aに対して履行を強制できなくなる可能性があるならば、CPLに従ったオープンソース・ソフトウェアに頼るリスクを受け入れるべきだったろうか?
 
会社の中にはそのようなライセンス条件の受け入れを拒否するものもある。オープンソース・プロジェクトは、そのようなライセンス条件が非常に多くの将来のライセンシーを脅かして追い払ってしまうかを見極める必要がある。また、これはオープンソース・プロジェクトがデュアル・ライセンスを利用する機会を提示するかもしれない。デュアル・ライセンスによれば、上記のようなリスクを嫌う会社へ、相当な対価をもってリスクの低いライセンスの代替手段を提供することができる(第11章のデュアル・ライセンスの議論を参照。)。
 
ところで、この状況はMPLの下でも起こる可能性がある。MPLおよびCPLの防衛的な終了条項では、ライセンシーが特許権侵害でライセンサーを訴えると、ライセンサーの特許権ライセンスは終了する。MPLおよびCPLの両方で、ライセンシーは結局、ライセンスを続けるか、特許権侵害で訴えるかを選ばなければならなくなる可能性がある。
 
これは実際それほど不合理な取引だろうか?A 社からの価値のある無償のソフトウェアを受け入れる代わりに、B社はそのソフトウェア特許権をA社に対して主張しないようにしておくことを受け入れなければならない。しかし、ソフトウェアは無料だ!なぜ代償を伴ってはいけないのだろうか?特許権ライセンスの相互性はなぜ合理的な取引ではないのか?
 
さらに1つコメントをしよう。次章で説明するOSL/AFLは、特許権侵害のためのライセンスの終了を、MPLおよびCPLよりもさらに踏み込んでいる。OSL/AFLでは、特許権ライセンスだけでなく、著作権と特許権ライセンスの両方が終了する。そのような進んだ相互性は特に特許権を保有していないオープンソース・プロジェクトのためには理にかなっていると考える人々もいる。
 
 
>>次項 「7. 防衛と補償」へ(ここをクリックすると飛びます。)
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2008.10.14 Tue l 第8章 CPLライセンス→6. 特許防衛 l COM(0) TB(0) l top ▲

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