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 1989年2月、リチャード・ストールマン(Richard Stallman)氏はGNU General Public License(「GPL」)1.0バージョンの条件で、UNIX用の最初のGNUプロジェクト・ソフトウェアをリリースした。同年6月、ビル・ジョイ(Bill Joy)氏はカリフォルニア大学の Berkley Software Distribution(「BSD」)ライセンスの条件で、UNIX用のソフトウェアの無償版を初めてリリースした。静かに行われたこれらのリリースが、ソフトウェア・ライセンスにおける新時代の到来の引き金となった。最初は誰にも気づかれなかったものの、だんだんスピードと力を増し、現在ではこのような新ライセンス形態は広くオープンソースとして世界中に知れ渡るようになった。
 
 2001年までに、SourceForge(www.sourceforge.org)サーバー上で17000のオープンソース・プロジェクトが活動していたが、4年後には、そのようなプロジェクトの数は74000に広がり、そのユーザー登録者数も775000人となった。その大多数はGPLまたはBSDライセンスに従って現在ライセンスされているが、そのほかにもオープンソースの原則に基づいた約50の異なるライセンスのいずれかが使用されている。
 
オープンソースは現在ソフトウェア産業での中心的な話題となっている。ソフトウェア会社は引き続き価値のある高品質の製品を「プロプライエタリ・ライセンス」に従ってリリースし続けているが、多くの企業がまたオープンソース製品の開発、そしてそれらの頒布モデルを可能にするプロジェクトにもかかわっている。
 
本書は、法律について書かれているが、対象は法律家ではない。判例法の引用や法律雑誌(ロー・ジャーナル)にふさわしいような学説に基づく分析については記載していない。むしろ、どのライセンスを使用するか戸惑っている筆者の友人や、オープンソース業界のソフトウェアを頒布する人々、あるいはビジネスに対する影響を理解したい人のために書かれている。オープンソースを使用することに対するなぞや恐怖が払拭されるために、オープンソースが存在しうる法的側面が説明されることを目指している。
 
オープンソースは知的財産権、中でも著作権法を基盤として成り立っている。オープンソース・ソフトウェアはその作者が権利を保有しており、当該ソフトウェアを寛大な条件で公に対してライセンスする。オープンソースは知的財産権を破壊するものでもなければ盗用するものではない。初めの数章において、オープンソース・ライセンスを可能にする知的財産権法を説明する。
 
それに続く章では、大学における資産を認めるべく「アカデミック・ライセンス」と筆者が呼んでいる、オープンソースの最初の大きなカテゴリーについて説明する。アカデミック・ライセンスは、ソフトウェアを使用、複製、改変、そして頒布することを許諾し、その対象にはソースコードを含んでいる。プロプライエタリ・ソフトウェアが含まれている場合も含まれる。ライセンサーは、寛大にも自分のソフトウェアを公共の利用に対して寄付し誰もが使用可能としているのだ。
 
GPLとそれに続くMPL、CPL、そしてOSLライセンスは筆者が「相互性取引」と称するものだ。ライセンサーとライセンシーはオープンソースという公共財産を共用するが、そのソフトウェアに対してなされた改変はすべて同じライセンスに従って頒布されなければならない、というものだ。前出の4つのライセンス形態はアカデミック・ライセンスよりもかなり複雑な構成となっており、各ライセンスを章ごとに解説する。
 
自分のソフトウェアにどのオープンソース・ライセンスを使用するかの選択は難しいので、そのための章を設けた。答えは、自分のビジネスモデル、ソフトウェアと製品のアーキテクチャ、そして製品の中にある知的財産を誰が保有しているかについての理解に複雑に関連している。もし、ライセンスの選択のための「チェックリスト」を期待しているのであれば、この章を読まれたい。しかし選択はそんなに簡単ではない。
 
最終的に、ライセンサーとライセンシーはオープンソース・ライセンスの条件の履行を強制(enforce)する必要が出てくるかもしれない。オープンソース・ライセンスの下に訴訟をしたい、あるいは訴訟を避けたい人たちのための章も用意している。
 
最後に、オープンソースよりも大きくなりうる課題を説明する。オープン・スタンダードだ。オープンスタンダードこそ、ソフトウェアが完全にフリーでオープンとなりうるのかを決する本当の戦いの場だ。筆者は、この課題については一冊の本さえ書くに値すると考えている。本書はこのテーマに終始するものではないが、この議論のスタートをここで切ろうと思う。
 
ソフトウェア・ライセンス自体を興味深く読んでもらうようにすることは、かなりのチャレンジだ。ライセンスの意味を理解するには、そのライセンス文言を読む以外に方法がないからだ。もし本書の中にある詳細な説明にこつこつ時間をかけたくなければ、以下に筆者の結論を差し上げよう。
 
オープンソース・ソフトウェアのユーザーとしてであれば、前向きにとらえて自由に使用すればよいだろう。本書のライセンスのいずれもオープンソース・ソフトウェアの使用を制限することはない。しかし、もっと直接に、ソフトウェアを作成、改変、もしくは頒布することを考えている、またはライセンスを企業内の導入することを考えているのであれば、弁護士に相談し、あなたが他者に渡したい範囲と考えていることを超えて何らかの約束に拘束されてしまわないように確証してから活動に取り組むべきだ。本書は、弁護士に質問するに際して、的を射た質問をする一助となるだろう。  
  
>>「第1章 自由とオープンソース(1)」へ
 
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2008.03.11 Tue l 序章→序文(本書の概観)(ローレンス・ローゼン) l COM(0) TB(0) l top ▲

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