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1. Mozillaの物語
 
1990年代後半、Netscape社は深刻な問題に直面していた。同社のブラウザー(Netscape Communicator)は急速にMicrosoft社のInternet Explorerにシェアに奪われ、プロプライエタリなブラウザーの開発を続けてライセンスをすることを正当化できるような、競争力のあるビジネスとして位置づけることは難しかった。しかし、Netscape社は単にその開発を中止するのではなくて、オープンソース・プロジェクトに変えてオープンソース・ライセンスに従ってソフトウェアを公衆にライセンスすると決めた。しかし、どのライセンスによるべきか?
 
Netscape社は、アカデミック・ライセンスは使用しなかった。というのは、同社の意見では、そのようなライセンスでは改変されたコードをコミュニティへ返還するのに十分役に立たないからである(この経緯は、www.mozilla.orgでより詳細に語られている。)。アカデミック・ライセンスでは、「中間者」がフリーソフトウェアの共有地から改良物を取り除くことが可能になってしまうことを同社は理解しており、そのような結果を希望しなかったのだ。
 
また、同社は、重要なビジネス上および法律上の4つの理由でGPLライセンスを使用しなかった。第1に、同社は、以前に自分たちのブラウザーに組み込んだソフトウェアに適用される他のライセンスに従って負担しているいくつかの義務がGPLと両立しないと考えていた。第2に、同社はGPLが米国法上の暗号規制の法令に合致しているかどうかを確信していなかった。第3に、他のNetscape製品(特にサーバー製品)に対して、GPLによればどのような相互性義務を負うのかを確認できていなかったところ、他のソフトウェアは確実にプロプライエタリのまま残しておきたかった。第4に、GPLを使用したために他社が同社のソフトウェアを拒絶することを心配した。
 
Netscape社は、LGPLを使用することさえ検討した。なぜなら、LGPLによればブラウザーと交信するだけのソフトウェアが相互的な条項に含まれてしまう危険を減少できるように見えたからだ。しかし、LGPLも受け入れるには至らなかった。Netscape社のソフトウェアの構造と法的な要件の両方を理解していた同社幹部社員で弁護士でもあるMitchell Baker氏は、これらの問題に対応するための新しいオープンソース・ライセンスを書いた。その成果であるMozilla Piblicライセンス(MPL)は、それに続く多くのの重要な商用オープンソース・ライセンスのモデルとなってきた。BSDライセンスとGPLの次に、MPLは最も有力なオープンソース・ライセンスだ。Baker氏は、Mozillaオープンソース・プロジェクトのジェネラル・マネージャー(Chief Lizard Wrangler)となった。
 
MPLは本格的なライセンスだ。本書では、筆者が既に述べた他のライセンスより、MPLの構造と条項に対する批判はずっと少ない。MPLは商業用の高品質でプロフェッショナルな、法律業務の成果物だからだ。
 
特にライセンスの専門家を対象として書かれたわけではない本書のような場合、ライセンスについて説明するために非常に退屈な事柄を面白くすることは骨の折れることだ。熟練したコンピュータ・プログラマーの読者がいれば、私の苦労をC++プログラミングかTCP/IPスタックについて公衆に説明しようとする技術者のものになぞらえてみて欲しい。
 
どのようにしたら、法律の条文のページを引用せず、裁判所の解釈を説明しないで、記述を正確にするのに十分に深くMPLのようなオープンソース・ライセンスを説明できるだろうか?MPLの最新のバージョン(1.1)は付録に収録している。もちろん、私が各条項を順次記載して話し言葉に翻訳する必要はないし、派生的著作物か集合著作物かが見て分かるように各文章を文法的に説明する必要もない。
 
代わりに筆者がしたいことは、大きな全体像を描くことだ。本書では、MPLと他の多くの営利会社による同様のライセンスがどう構築されているかを説明する。そして、ソフトウェアを受け入れる場合にあなたとその弁護士がそうしたライセンス中において調査すべきことと、あなたが自分のソフトウェアを頒布する際のライセンスを変更する場合に考慮しなければならないことに、焦点を当てることにする。
 
>>続きは 「2. MPLの相互性取引」で (ここをクリックすると飛びます。)
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2008.04.18 Fri l 第7章 MPLライセンス→1. Mozillaの物語 l COM(0) TB(0) l top ▲

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