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9. 集合著作物と派生的著作物
 
集合著作物派生的著作物についての詳細な説明は後章で行う。ここでは、オープンソースの開発とライセンスにおいて実際に参加者が何を行うかを理解するために、オープンソース・ソフトウェアの文脈におけるこれらの用語を理解することが重要だ。
 
これらを定義する前に、心に留めておいてほしいのは、集合著作物も派生的著作物も著作者の原著作物であり、これらに著作権が存在するということだ。
 
102条に列挙する著作権の対象は、編集著作物および派生的著作物を含む。(米国著作権法第103条)
「編集著作物」という言葉には集合著作物を含む。(米国著作権法第101条)
 
「集合著作物」とは、
・・・それ自体が別個独立の著作物である多数の貢献部分が集まって一つの集合物を構成するものをいう。(米国著作権法第101条)
 
ソフトウェア以外の世界では、百科事典や選集などを集合著作物と考える。ソフトウェアの世界では、集合著作物を、それぞれが別個に書かれたソフトウェアの集合体で、1つのパッケージあるいは1つのディスクにて頒布されるものを言うことが多い。例えば、オフィスで使用するソフトウェアには、別個に書かれた、ワードプロセッサー、表計算そして電子メール用のコンポーネントなどが含まれている場合がある。これら1つ1つのコンポーネントは、それぞれ著作者の原著作物だが、全体として1つのオフィスツールだ。
 
集合著作物の著作権は、1つ1つのコンポーネントについての創作性ではなく、集めることと、その組織的な構成についての創作性を反映するものだ。ほとんどのソフトウェアは、モジュールを集合させることに著作権による保護が及ぶ。個々のモジュールの集合における配列と組織の創作性が、ソフトウェア・プログラムのもっとも創作性の現れる部分だ。
 
派生的著作物(derivative work)とは
翻訳、・・・またはその他著作物を改作し、変形しもしくは翻案した形式のように、一つまたはそれ以上の既存の著作物を基礎とする著作物をいう。(米国著作権法第101条)
 
派生的著作物には多くの種類があり、法は、翻訳、編集、脚色、改変、その他の改作、変形、あるいは翻案を含めて単にその例を列挙している。これは、裁判所に個別の作品が派生的著作物に当たるかどうかを判断させる余地を与えている。裁判所がどのように対応するかは、後章にゆだねる。ここでは、ソフトウェアについての文脈で、初期のバージョンから改善または拡張されたプログラムを派生的著作物として考えることにする。オープンソース・ソフトウェアを頒布することにより、大抵は多くのプログラマーによって貢献された改良部分を含む後継バージョンが生み出されることになる。後継バージョンは初期バージョンの派生的著作物であり、各バージョンがそれぞれ著作者の原著作物となる。
 
オープンソース・ソフトウェアの権利帰属を、権利の連鎖に相当するものと考えるとわかりやすいかもしれない。著作者の原著作物が鎖の最初の輪だ。その鎖は共同的なオープンソース開発の過程で広げられる。人々はソフトウェアの原著作物を受け取り、集合著作物あるいは派生的著作物を作成する過程において、他の作品と一緒にし、改変を加える。それらの集合著作物や派生的著作物は、それぞれが著作者の原著作物だ。
 
個々の派生的著作物あるいは集合著作物が権利の連鎖における次の権利の連鎖を広げていくが、それぞれの集合あるいは改変した後継版についての権利は、その改変前の著作権者の保有する権利の制約を受ける。
 
ソフトウェアはこのような集合あるいは改変を通じて改良される。集合著作物および派生的著作物の発展によって明らかとなった、オープンソースコミュニティにおけるダイナミックで流動的な表現とアイディアの発展は、これまでにない強力なソフトウェアの創造をもたらした。この過程はEric Raymond氏の「伽藍とバザール(The Cathedral and the Bazaar)」という著作によく表現されている。ソフトウェアの品質に関する同著作の観察と予想は、多くのオープンソース・プロジェクトで証明された。全ては、オープンソースのライセンサーが、集合著作物あるいは派生的著作物を自由に創造することを認めたことにより実現されたのだ。
 
>>「10. 著作権の権利の連鎖」へ
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2008.03.25 Tue l 第2章 知的財産→9. 集合著作物と派生的著作物 l COM(0) TB(0) l top ▲

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