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1. 財産に対する支配
 
ソフトウェアには、「鳥が自由に飛ぶ」という意味での「自由」はない。ソフトウェアは誰かの財産であり、あなたは他人の財産を、その権利者の許可なしに勝手に使用することはできない。
 
「ソフトウェアの自由」についての法的な説明は、コインの裏側といえる財産権の説明から始めよう。
 
多くの人々は、財産が目に見えるもの、触って識別できるものだと考える。私たちは日々目に見える土地に対する支配を行使し、それらを「不動産(real property)」と呼ぶ。土地の上に私物を所有し、それらを「動産(personal property)」と呼んでいる。私たちは、自らの財産を自分たちの利益と喜びのために使用する幅広い権利を持つことを期待し、他人からの干渉は最小限にとどめたいと考える。私たちは、自己の財産を所有し権利証書やレシートで所有を証明し、他人による侵入や取得などの侵害から守る権利があると信じている。
 
コンピュータ・ソフトウェアについても、目に見える私的財産として扱い、購入するソフトウェアの隣の棚に並んでいるマウスパッドを買うときと同じクレジットカードを使用して支払いをして購入する。それを自宅に持ち帰り、コンピュータの中に入れるとソフトウェアは私たちの仕事をしてくれる。
 
しかし、この私的財産としてのソフトウェアという概念は不完全だ。ソフトウェアが記録されている「ディスク」以上の“何か”がソフトウェアにはある。1948年に米国カリフォルニア州の裁判所が示したように、財産というのは非常に幅広い概念であり、目に見えるものだけではなく「保有あるいは処分から生じる目に見えない利益と特権」を含む。コンピュータ・ソフトウェアはこの種の目に見えない財産だ。なぜなら、法律上、ソフトウェアには、明確にそれ自体とは切り離された、保有または処分可能な「目に見えない利益と特権」があるからだ。
 
ソフトウェアは人の知性の製品であり、知的財産の一種だ。知的財産は価値のある財産利益であり、法律は知的財産の権利者がそれを保有あるいはコントロールすることを認めている。ソフトウェアを作成するプログラマー、あるいはソフトウェアを作成する人を雇用する会社は、ソフトウェアに具現化された知的財産の最初の権利者とみなされる。当該権利者は知的財産に対する支配を行使することができる。権利者はそれを他者に譲渡、販売または使用を許諾することができる。当該権利者は知的財産の複製物を作成する特権を有し、また他人が複製物を作成し、使用し、あるいは販売することを禁止することができる。
 
このように、コンピュータ・ソフトウェアには、目に見える側面と目に見えない側面があるため、(1)ある者がコンピュータ・ショップから購入またはウェブサイトからダウンロードした目に見えるソフトウェアの複製物を所有し、(2)別の者が、当該ソフトウェアに具現化された知的財産を別個に保有する、という可能性がある。
 
この上記の両面に適用される法律はそれぞれ異なるため、混乱しないようにしなければならない。
 
多くの場合において、知的財産権法は目に見える動産または不動産に対する法律とはかなり異なるが、少なくとも知的財産を含む動産あるいは不動産の権利者がその財産を売却または贈与することができ、遺言や信託によって死後処分することができ、あるいは破産時に裁判所に権利を奪われる点で法は共通している。本書でも、財産の処分に関する法律がオープンソース・ソフトウェアに与える効果を後述する。
 
まずは、ソフトウェアの中に具現化されうる様々な知的財産を特定しよう。そうすることで、なぜソフトウェアに存する知的財産の権利者が、ソフトウェアの使用や経済利益を追求するための無制限の権利を持っていないのに、他者による権限なき経済利益の追求から自らの財産を保護するための十分な権利を持っているかを説明することが容易になるだろう。
 
 >>「2. 右脳と左脳」へ
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2008.03.24 Mon l 第2章 知的財産→1. 財産に対する支配 l COM(0) TB(0) l top ▲

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