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2. MPLの相互性取引
 
MPLはこれまで議論してきた他のライセンスよりもずっと長文のライセンスだ。しかし、複雑な言い回しを乗り越えれば、相互性条項は以下の通り非常にシンプルに言い換えることができる。
 
[オリジナル・コード]もしくは従前の[改変物]を含む任意のファイルの[改変物]を作成し頒布する場合、または、[オリジナル・コード]もしくは従前の[改変物]を含む新しいファイルを作成し頒布する場合は、それらのファイルは[改変物]として同じMPLに従ってリリースしなければならない。
 
あなたが新たにリリースしたファイルは以降のライセンシーにおいては[改変物]とされる。 この再帰的な定義により、各コントリビュータが加わりどのように権利関係の連鎖が形成され、改変された派生的著作物となっていくかが分かる。ただ、従前のライセンスと異なり、MPLは派生的著作物ではなく、より広く派生的著作物を含むファイルを扱っている。
 
このためには厳密な定義が必要となり、それはMPLに記載されている。以下が4つの定義だ。
 
[コントリビュータ]とは、[改変物]を作成するか、[改変物]の作成に貢献する者をいう。(MPL1.1条)
 
[対象コード]とは、[オリジナル・コード]、[改変物]、または[オリジナル・コード]および[改変物]の組み合わせであり、それら自身の一部を含むものをいう。(MPL1.3条)
 
[改変物]とは、[オリジナル・コード]または従前のすべての[改変物]のいずれかの内容または構造への追加または削除をいう。[対象コード]が一連のファイルとして公表された場合、[改変物]は以下の通りである。
A [オリジナル・コード]または従前の[改変物]を含むファイルの内容へのすべての追加または削除
B [オリジナル・コード]または従前の[改変物]のいずれかの部分を含むすべての新しいファイル(MPL1.9条)
 
[オリジナル・コード]とは、コンピューター・ソフトウェア・コードの「ソースコード」をいい、付録Aによって要求される「ソースコード」表示の中に[オリジナル・コード]として記載されているものであり、このライセンスで公表するときにまだこのライセンスが適用される[対象コード]となっていないものをいう(MPL1.10条)
 
このような定義はソフトウェア・ライセンスにおいて非常に重要だ。シンプルなアカデミック・ライセンスの用語と、歴史のあるGPLのいくつかの用語でさえ、どれだけ紛らわしく誤解を招くおそれがあるかは既に説明した通りだ。定義のない用語はあいまいだ。ライセンスに従った履行が可能かどうか問題となった場合に、当事者または裁判所が明確な定義のないライセンスをどのように解釈するか、確実に予測することはできない。
 
この問題に対処する1つの方法は、専門用語に頼ることだ。専門用語は法律用語集か法令によって定義されているので、当事者も裁判所も理解できる。これは、筆者が本書で集合著作物派生的著作物の用語を正確に使うことにこだわった理由でもある。これらの用語は(本当に理解している者はわずかであるが)弁護士なら誰でも分かるように法令によって定義されており、それらを一貫して使用するなら少なくとも同じ用語は同じ意味を指すことになるはずだ。また、ライセンス中のある専門用語を裁判所がどのように解釈するかを予測する助けとして、類似の事件の判決を参照することもできる。
 
正確に法的な専門用語を使用することに加えて、MPLのような商業用オープンソース・ライセンスでは、ライセンス中で用語が定義されていることがよくある(例えば、GPLは「プログラム」という用語を定義している。)。ライセンスの解釈と実施においては、ライセンス中の定義専門用語にしばしば優先するから、それらの定義は注意深く読まれなければならない。例えば、MPLから引用した上記4つの定義では、[対象コード]と[オリジナル・コード]は慎重に区別されている。つまり、後者は前者に含まれている。[改変物]という用語は、第1文の[オリジナル・コード]および、第2文の[対象コード]を考慮して定義されていることに注意してほしい。このようなライセンスに従った自らの相互性義務を知るためには、非常に慎重に分析をしなければならない。
 
>>次項 「3. [コントリビュータ][改変物]」へ (ここをクリックすると飛びます。)
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2008.04.18 Fri l 第7章 MPLライセンス→2. MPLの相互性取引 l COM(0) TB(0) l top ▲
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